風が笑えば

著者 :
  • 中央公論新社 (2012年2月24日発売)
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本棚登録 : 116
感想 : 26

素晴らしい本ですね。
人生の秋。
――短歌で自分をどう表現するか、ということよりも、短歌は何を表現できるのか、ということに関心は移っていった。(P62)
と書かれているとおり、この本は俵さんの短歌の可能性をまた一つ切り拓いた作品ではないでしょうか。

心揺さぶられる、そして本当に豊かな時間を過ごしました。
東日本大震災の話も含まれていますが、『サラダ記念日』『チョコレート革命』などを愛読した私は、俵万智さんがこのように母であり、そして歳を美しく重ねた歌集を読むことが出来ることに感動しました。

どの歌も素晴らしく、付箋だらけになりました。

また、恋の歌も一層深み、そして若い人たちの恋を
鮮やかに思い起こすような歌があります。

不遜な言い方ですが、この本が素晴らしい本になったのは
一つには写真の効果が大きいでしょう。
俵さんも書いていますが、この本は俵さんが初めて写真が先、そこから想像した物語を紡いだというのが特徴だそうです。
写真と歌の親和性がすごいです。

何度も見ていたい。
何度も読みたい。

大切な本になりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 詩集・歌集・句集
感想投稿日 : 2012年6月5日
読了日 : 2012年6月5日
本棚登録日 : 2012年6月5日

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