私にしては、びっくりのBL小説レーベルの作品です。・・・が、絡みや、愛だの恋だの要素は無いので、ラノベという感じです。この作家さんはダ・ヴィンチで昨年紹介されていたのがきっかけで読んでみたのですが今までこの手のジャンルを侮ってた!と衝撃を受けた作家さんです。
中途半端な吸血により、中途半端に吸血鬼になってしまったアル。彼は牙も無ければ自由に蝙蝠にもなれず、人を吸血する経験も無い。毎日、牛の血をすする為に訪れる精肉工場で、ひょんな事故により
冷凍肉とともに異国の地・日本へ輸送されてしまう…
…とあらすじを書いただけでも悲惨で(笑えr…)吸血鬼が主人公。吸血鬼からイメージされるエレガントさの欠片も無い、ダメっぷり。だけどとても純真。たどたどしくも覚えたての日本語を喋る姿も、自分を助けてくれた恩人の血を拒む頑なさも無邪気で健気で可愛いです。
片や、エンバーミングを生業とする彼の恩人はぶっきらぼうでドがつくSですが、こっそり見せる優しさは微笑ましいです。
ドタバタと事件は解決していきますがまとまりは良く、ささやかな描写が微笑ましく、出版元が出版元だけにこれが今後恋だの愛だのになっていくのー?(笑)と想像できないんですが…。このテンポでまったり進んでいって欲しいところ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
青春・家族
- 感想投稿日 : 2011年7月21日
- 読了日 : 2008年1月26日
- 本棚登録日 : 2008年1月26日
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