ある華族の昭和史: 上流社会の明暗を見た女の記録 (講談社文庫 さ 31-1)

著者 :
  • 講談社 (1986年6月1日発売)
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本棚登録 : 63
感想 : 10
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明治・大正・昭和として一くくりにされている近代日本だけれど、現代と近代を分けるものは、やはり1945年の敗戦だと思う。
というわけで、昭和という一つの年代とは言いながら、戦前まで存在していた「華族社会」というものを内側から回想して書かれたのが本書。大名華族の姫として生まれた作者の目を通して、戦前の華族社会が描き出されるが、けっこうこれがまた想像を絶していて絶句。
学習院のお嬢さん方が、女子同士で手紙の遣り取りをして「エスよ」「エスだわ」などどはしゃぎ合ったり、いい年のおばさんたちが「~しゃま」等と呼び合ってたかと思うとかなり恥ずかしいのですが。
まあ、そんな社会を知りたくて読んだので、その点では満足です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史・古典
感想投稿日 : 2010年6月19日
読了日 : 2010年8月21日
本棚登録日 : 2010年2月7日

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