十数年ぶりの再読完了。吉里吉里国独立の理由の1つに日本の農業政策批判があるのですが、その議論は現在のTPPを巡る議論と同じことを言っており、作者の先見の明には恐れ入りました。あと「~してけろ」っていう東北弁も「あまちゃん」を思い出し、妙に2013年とシンクロしてます
全編通して繰り広げられる過剰なドタバタも井上ひさしらしくて好きなのですが、古橋の脳をベルゴ・セブンティーンの体に移植して別人となってしまう展開は、さすがにやりすぎだろうと。独立計画が失敗に帰する原因となる「秘密」もそれほどのものか?と疑問。
なんだかラストが締まらなかったのが残念ですが、ルビという日本語独特の表現技法を極限化した文体芸と鋭い社会批評は大いに堪能しました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
◇本:SF
- 感想投稿日 : 2011年9月23日
- 読了日 : 1999年9月13日
- 本棚登録日 : 2011年9月23日
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