電力の変革期。化石燃料の見えざるコスト、エネルギーセキュリティについてなど、社会的影響度を大域的に見ながら、今後あるべきエネルギー社会の築き方を説いた本。ここまで丁寧にまとめられた本はない!丁寧過ぎて、全てを語ろうとしすぎるあまり、話が発散している感は多少否めない。コラム多過ぎw
前半はほとんど省エネの話。
運輸、建物、工業分野で、いかに非効率にエネルギーが使われていて、効率化するだけで、新材料や技術を使うだけで、半分以上のエネルギー消費を削減できるかを、技術動向や政策的な話を踏まえながら説明してくれている。これだけ読むと、なぜ人は効率の悪いものを使うのだろうか、と疑問に思うくらい簡単に効率化できそうな気がする。が、実際どこがどう効率が悪くて、改善するとどれくらいで回収できるのかは、なかなか分からないのだろうなと、感じた。加えて、対策をしても、大きなリターンにはならないから、コンサル的な企業も生まれないし、企業努力も後回しになる。やり方はあっても、普及のロードマップはやはり難しそう。導入喚起を促す政策が必要か、簡単なやり方の周知徹底が必要なのか。統合設計デザインも気になる。
後半に、電力の話。分散電源のエネルギーセキュリティとか、日本で言う総括原価方式の話とか、よく聞く話がまとめられている。一つ思ったのが、エネルギー供給に合わせた生活がいいか、現在のやや高いが一定価格で特に供給状況を意識しない生活がいいかは、人それぞれな気がする。結局、バランスが大事。できる範囲を見極めて、少しずつ改善するという道を見つけて行きたい。
今後、仕事でエネルギー関係について考えるときに辞書的に使おうかな。
- 感想投稿日 : 2014年2月20日
- 読了日 : 2014年2月19日
- 本棚登録日 : 2013年12月26日
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