レビュー by n255さん
密室監禁もの。初っ端の見取り図と複雑なルールに思わず「はあ……」とため息が漏れる。なかなか読み始める気力が湧かず、頁を開いては閉じ、開いては閉じを繰り返し、ようやく読み進めれば別にルールは厳密に把握していなくても大丈夫だった。読み終えてみればやっぱり面白かった。(やっぱりというのは前作も序盤は期待薄 → 面白いじゃん!っていう感じだったから)
超能力要素が絡むから、厳密に頭だけ使って脱出しようっていうものではない。でも、その超能力要素の駆け引きや、交喙とドッペルゲンガーを巡る二転三転がとても面白く、最後まで飽きることなく読み進めることができた。こういう話では、登場人物たちが可能性を語り合う展開があっても、どこか読者に提示しない余白を残したり、「ほげほげをしたら終わりじゃん、なんでこいつらしないの?」みたいな隙があったりすると思うけれど、本作は割と可能性をつぶしにかかってくれるし、また超能力なんて異次元なものもそれすら絶対でなくて、逆手に取っているところも面白いと思う。
シリーズは2作目だが、主人公がとてもいいキャラクターだと思う。影のあるヒーロー。出過ぎず、輝きすぎず、それでいて語り手としては読者を引きつける魅力を持った良いキャラである。
登録日 : 2010年05月12日 00:45:28


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