チョッちゃん

著者 :
  • 草思社 (2005年10月1日発売)
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感想 : 7
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この本には、東京目黒の「西井家」の人たちと 野良犬「チョッちゃん」の物語が私小説風に描かれています。<BR>
ある日、犬や猫をこよなく愛する西井さんの奥さんが、いつものように野良猫たちに餌を上げていると、その様子をじっと見ている一匹の野良犬に気がついた。全身の毛が抜け、やせ衰えたその犬は、驚くほど大量の餌を食べるとどこかへ歩み去ったが、次の日も、その次の日も現れては、沢山の餌をねだって食べていくようになった。大量に食べながら相変わらず痩せさらばえたその犬は、どうやら近所の廃屋で子犬を産んで育てているらしい。西井さん夫妻は、赤裸の野良犬だけれど、とても賢いその犬に「チョッちゃん」と名付けて、何とか力になりたいと願っていた。やがて、廃屋近くのマンションの住人から「野良犬がいる」と苦情が出て、保健所が捕獲に来るらしい、と言う噂が流れた。そうなったらすぐさま保険所に駆けつけよう、とドキドキの毎日を送る西井さんの家の前に、ある朝、チョッちゃんが一匹の子犬を連れて座っていた・・・・<BR>
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読んでいて「ドクター・ヘリオット・シリーズ」を思い出しました。<BR>
子犬を守り育てるチョッちゃんは、西井さんのところで食べた餌を全部吐き出して、子供たちに食べさせていました。だからちっとも太れなかった。そして、西井さん夫妻を信頼できると確信して、子供たちを一匹づつ連れてくる・・・チョッちゃんは、仔犬達との子別れの時期を迎え、子犬たちに安全で愛情を沢山受けられる家を用意しようと、西井さんを選んだのです。<BR>
その賢さと、愛情の深さに、犬の好きな私は、もう、うるうるでした。<BR>
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こういう物語は、結局お話なんじゃないの?と言うギモンが常に有るんですが、これは間違いなく実話。<BR>
この本を私は友人にお借りして読んだんですが、作者の石井さんの奥さんは、この友人のピアノの先生でお正月にも会われたばかり。そのお宅には、今、チョッちゃんが連れてきたマルちゃんが元気に暮らしているそうです。<BR>
そして、マルちゃんは、近くの公園で迷いウサギの赤ちゃんを見つけたんですって!<BR>
お正月に友人は、そのウサギが「ハウス」するところを見たそうです・・・・「ハウス」するウサギって???<BR>
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犬も猫もウサギも、愛情を沢山持ってる人には、心で交流するんだなあ・・・・・

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2006年10月25日
本棚登録日 : 2006年10月25日

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