非常勤講師の数学教師、津田先生が退職したと聞いて、驚き慌てる悠奈。野暮ったく、目立たない先生だったが、悠奈には、亡くなった父の書いた本を褒めてくれ、放課後の図書館で静かに語り合った大切な存在だったのだ。
やがて、偶然知り得た先生の住所が、父の遺品の手帳に残された住所と同じことに気づいた悠奈は、母の長期出張を機に、その住所を訪ねることに。そのことが、彼女の人生を揺るがす大きな出来事につながるとも知らずに!
5歳の時に、宿泊していたロッジが火災にあい、亡くなってしまった父。その父のことを初めて語らうことができた非常勤講師の津田先生。その先生がいなくなり、追いかけて行った先には、悠奈が知っていた先生と全く違う別人のような先生がいて、冷たく悠奈を追い返す。
しかも、帰ろうとした悠奈を怪しげな黒づくめの男たちが連れ去り……。
亡き父が手帳に遺した住所を訪ねる旅がやがて、彼女の将来をも揺るがす大きな事件につながっていく……サスペンスというか、冒険物語というか。優しい非常勤講師の正体は?父の死の真相は?父とともに亡くなった女性と父の関係は?
見ず知らずの土地で、誰もが彼女を特別視し、時には厚くもてなし、時には恐怖に陥れ、誰が味方で誰が敵なのか。まさに「キミは知らない」状態なのです。
一つ謎が解ければ、また新たな謎が出てきて、いったい真相にいつたどり着くのか、最後まで目が離せません。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年8月25日
- 読了日 : 2015年5月3日
- 本棚登録日 : 2015年5月3日
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