アンコール・ワット:密林に消えた文明を求めて (知の再発見双書 48)

  • 創元社 (1995年6月1日発売)
2.93
  • (1)
  • (1)
  • (10)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 76
感想 : 7
5

(2006.01.24読了)(2005.12.25購入)
副題「密林に消えた文明を求めて」
アンコール・ワットをテレビで見たり、展覧会で見たりするたびに、アンコール文明によって作られた遺跡や彫像にはどんなものがあって、それはどういう話や言い伝えに基づいて何のために作られたのか?それらの彫像や表現の特徴はどのような点にあるのか?と言ったことを知りたくて、そういう本を探して読もうとしているのですが、先日読んだ「アンコール・王たちの物語」はそういう本ではありませんでした。今回読んだ、この本もそういう本ではありませんでした。
この本は、副題に「密林に消えた文明を求めて」とあるように、主にフランス人たちによる、アンコール・ワット探検史です。
アンコール文明の最盛期は、9世紀から12世紀と言われます。アンコール最後の大王ジャヤヴァルマン7世は、1218年頃亡くなったということです。
1296年に中国人の周達観がアンコールを訪れ1年間滞在し、「真臘風土記」と言う本を残しており、丁度いい旅行案内になっているそうです。(東洋文庫に入っています。)
1431年ごろ、カンボジア王はアンコールから都をスレイ・サントールに移した。シャム(タイ)による侵攻から逃れるためです。この後、アンコールは略奪され、荒廃した。
17世紀(1623年から1632年)、日本人参詣者がアンコール遺跡を訪れ、図面を描きそれを1715年に複製したものが日本に残っている。(33頁)
1850年ごろからヨーロッパの宣教師たちが、アンコールを訪れるようになる。
1867年、ドゥダールがカンボジアから持ち帰った彫刻と鋳造した複製を継ぎ合わせた作品をパリ万博に展示し、注目された。
1923年10月、アンドレ・マルローは、友人と3人でバンテアイ・スレイ寺院壁面の女神像を剥ぎ取り、プノンペンまで戻ったところで捕まってしまった。6ヵ月後に裁判が開かれ、古代遺跡出土品盗掘の罪でマルローと友人に有罪の判決が下された。1930年出版の「王道」は、このときの冒険を小説化したものである。(109頁)

☆関連図書(既読)
「アンコール・王たちの物語」石澤良昭著、NHKブックス、2005.07.30

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 東洋史
感想投稿日 : 2007年6月24日
読了日 : 2006年1月24日
本棚登録日 : 2006年1月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする