あなたはそっとやってくる

  • あすなろ書房 (2008年3月1日発売)
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本棚登録 : 107
感想 : 24
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(2012.08.20読了)(2012.08.15借入)
かみさんが図書館から借りてきて、廻してよこしました。アメリカのヤングアダルト小説です。主人公は、15歳の男女です。
アメリカらしいテーマが盛り込まれています。親の離婚、母親の家出、黒人に対する差別、等です。
原題は、If you come softly です。1998年の作品です。

●本書について(ウッドソン)
私は、初恋というものがどんなにすばらしく、どんなにつらいものかを描きたかったのです。また、私がよく覚えている15歳という年齢についても描きたいと思っていました。
ジェレマイアとエリーに敵対しているのは、人種差別、警察の暴力、愚かな人々の偏見です。それと、もう一つ私が書きたかったのは流れていく時間です。後で悔やまないためには、与えられた時間の範囲で自分が愛したい人をしっかり愛するということがとても大事なのです。
●母マリオンと娘イライシャ(エリー)(39頁)
「出ていくしかなかったのよ」
「だったら、どうして戻ってきたの?」
「がまんできないと思ったはずのものが、本当は、それがないと生きていけないものだってわかったからよ」
●ジェレマイアとエリー(97頁)
ジェレマイアは、説明できなかった。エリーが自分の方を見て笑顔を見せるときに感じる思いは、たずねられても言葉にすることができない。心の中で何かが止まり、何かが始まるような感じなのだけれど。
●エリー(218頁)
私は、「この先ずっと一緒に生きていきたい」と思うような人には、一生に一度しか出会えないと思っています。その瞬間を逃したり、出会ってもそっぽを向いてしまったり、瞬きをしてしまっただけでも―チャンスは消えてしまいます。
(そんなに固く考えることもないだろうと思いますけど。)
(2012年8月20日・記)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書(海外)
感想投稿日 : 2012年8月20日
読了日 : 2012年8月20日
本棚登録日 : 2012年8月19日

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