日本文化論の変容: 戦後日本の文化とアイデンティティー (中公文庫 あ 5-3)

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  • 中央公論新社 (1999年4月18日発売)
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文化人類学者の著者が、戦後の日本文化論の変容を丁寧に解説。
代表的な日本論の個々の解説という体裁ではなく、
一定の時代区分に分けて、その変容について論じている点が特徴。検討の深さは群を抜いている。吉野作造賞受賞のロングセラー。
(目次)
1 戦後日本と「日本文化論」の変容
2 『菊と刀』の性格
3 「否定的特殊性の認識」(1945~54)
4 「歴史的相対性の認識」(1955~63)
5 「肯定的特殊性の認識」前期(1964~76)、後期(1977~83)
6 「特殊から普遍へ」(1984~)
7 「国際化」の中の「日本文化論」

(追記)
第1期「否定的特殊性の認識」(1945〜54)
『菊と刀』ルース ベネディクト
『日本社会の家族的構成』川島武宜
『堕落論』坂口安吾
『気違い部落周遊紀行』きだみのる
丸山真男による日本ファシズム論

第2期「歴史的相対性の認識」(1955〜63)
『雑種文化』加藤周一
『文明の生態史観序説』梅棹忠夫

第3期「肯定的特殊性の認識」(1964〜83)
『「甘え」の構造』土居健郎
『ジャパン・アズ・ナンバーワン』エズラ・ヴォーゲル
『タテ社会の人間関係』中根千枝
『恥の文化再考』作田啓一
『日本の経営』尾高邦雄
『文化防衛論』三島由紀夫
『文明としてのイエ社会』村上泰亮・公文俊平・佐藤誠三郎

第4期「特殊から普遍へ」(1984〜)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 文化論
感想投稿日 : 2007年12月29日
本棚登録日 : 2007年12月29日

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