火花

著者 :
  • 文藝春秋 (2015年3月11日発売)
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感想 : 2047
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芥川賞、受賞おめでとうございます。

熱海の花火大会のイベントに呼ばれた時に出会った
芸人徳永と先輩芸人神谷さんの話。

読み始めてすぐ思ったこと。
私はもっと、純文学を読まないといけない
ということでした。

短い文章の中に、的確な表現が入っているものを好む私には、
ごめんなさい、又吉さんの表現がちょっと苦手なんです。
ただ、それって純文学に慣れてないからなんじゃないかと思うのです。

ちょっと苦手な表現でしたが、物語は入り込めました。
この先輩、面倒くさい神谷さんが私は大好きです。
こんな人が近くにいたら、私も懐いてしまいます。

徳永=ピース又吉さんというわけではなく、
又吉さんの中には神谷さんも住んでいる、
そんな感じが強くしました。

物事を何でも突き詰めて考え込まない私。
こんな風に深く深く考え込んでいくのって、
しんどいのではと思ってしまいましたが、
何かを創作するのには、特に人を笑わせるのには
裏の裏の裏のそのまた裏で熟成させた表にすることも
必要なのかもしれませんね。

一気に芥川賞作家というプレッシャーをかけられて
次をどんな作品にしていくのか。
売れっ子芸人との両立も大変だと思いますが
次回作も読んでみたくなる一冊です。

次回作が出る前に、純文学も読んでおこうっと…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年7月18日
読了日 : 2015年7月18日
本棚登録日 : 2015年6月28日

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コメント 1件

koshoujiさんのコメント
2015/09/13

こんにちは。
「名探偵カッレくん」への”いいね”ありがとうございました。<(_ _)>
児童文学へのレビュー(あれはレビューになっていませんが(笑))に、”いいね”を頂くのは、個人的にとてもうれしいのです。

話は変わりますが、
作家又吉直樹としての次回作が楽しみですね。
本人には相当のプレッシャーがかかっているだろうな、と推測しますが。
純文学に慣れていない、と書かれていますが、綿矢さんをお好きなら、充分慣れていると思いますが?
綿矢さんの新作「ウォーク・イン・クローゼット」が、10月29日に講談社より発売予定です。
これは、たしか『文學界』か『文藝』の8月号に掲載された原稿用紙200枚ほどの中編のはずです。
図書館で、表紙に書かれているのを見た記憶があるので。
綿矢りさファンである通常の私なら、すでにそれを図書館内で読んでいるはずなのですが、
最近は色々と忙しく、図書館でじっくり本を読む時間が取れません。
ですので、この新作を読むのを楽しみにしております。
彼女の結婚後の記念すべき第一作。
作風などは少し変わったのか、とても興味があり、図書館に予約して読もうと思っています。
なにぬねのんさんも楽しみにお待ちください。<(_ _)>

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