恩田陸の作品は何作か読んでいる。
読者のリズムをあえて崩すのが作風なんじゃないかと思ってみたり。それも、なかなか読みのリズムが整わないせいで先を読みたくなる絶妙なバランス。そんな印象。
本作は、芥川龍之介の「藪の中」に通底するものの、そこに恩田陸テイストの独特のリズムが加わり、題材になっている事件の不気味さと相まって、読み応えがあった。
章ごとに中心人物が異なる。時期も前後する。主客が入れ替わる。そもそも、今読んでいる章の中心人物が誰かがわからないまま読み進めなければならない。
なのに、読みづらさは微塵もない。
なんなんだ、この作家は。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年11月21日
- 読了日 : 2017年11月21日
- 本棚登録日 : 2017年11月21日
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