ボトルネック

著者 :
  • 新潮社 (2006年8月30日発売)
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本棚登録 : 1344
感想 : 279
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自分が生まれなかった世界へ行くパラレルワールドもの。
自分の不在が、明らかに周りの人間を幸福にしている世界へのバッドトリップ。「間違いは自分」だってことに気づいていく過程がひたすら絶望的。なんという暗黒青春物語。

ラストに色々な解釈の余地があるのがすごく良かった。

以下、ラストに対する個人的な解釈(ネタばれ)。
※与えられてるものの価値に気づかず受動的に生きるのは、他人に対する冒涜だというメッセージだと思った。
※Green Eyed Monsterはノゾミと思う。
※お金も両親もいるのに、今もまだ命があるのに、諦念を装って臆病なだけの主人公に対するノゾミの呪い。
※最後の電話は死んだツユから。ノゾミが主人公を殺そうとしているのを知って助けようとした。
※「自分で決められる気がしなかった。誰かに決めて欲しかった」ところへ母からのあのメールで、やはり主人公は死を選んだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  │ ├SF
感想投稿日 : 2012年1月24日
読了日 : 2012年1月24日
本棚登録日 : 2012年1月24日

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コメント 2件

kwosaさんのコメント
2013/02/05

naokoulaさん

>ラストに色々な解釈の余地があるのがすごく良かった。

そこが面白いですよね。

僕は別の解釈をしました。
ノゾミは主人公の可能性を見せてくれた。
そして最後の電話は「警告」
ここが分岐点であると。
そして主人公はあのメールを見て、うっすら笑い運命に抗ったのではないかと。

naokoulaさんをフォローさせてください。
とても魅力的な本棚ですね。
時々、覗かせてもらいます。

naokoulaさんのコメント
2013/02/05

kwosaさん、コメントありがとうございます。
なるほど、そういう解釈もありですね。
こちらこそフォローさせていただけると嬉しいです^^

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