UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか

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  • 英治出版 (2016年12月6日発売)
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・ 産業・社会の変化
① 企業の従業員支配からプロフェッショナル主導へ(組織)
② 画一的フルタイム労働から勤務の多様化へ(人)
③ 統合的経営から分業・アウトソーシングへ(オペレーション)
④ メーカー主導から市場主導へ(プロダクト)
⑤ 産業ごとの独自技術からクロスボーダー技術へ(イノベーション)
・ iPhoneは、使えば使うほど自分になじんできて愛着がわいてくる。高機能・高性能を意識せずに使い、生活を楽しくすることができる。ユーザーそれぞれが自分なりの楽しさや感動を創り出し、味わうことができる
・ テクノロジーで信頼性を確保する。IoTによるによるニューエコノミーでは、すべてがモニタリングできる。モニタリングさせない人には仕事がいかないので、自然とこの社会から排除されていく。顔認証システムでその人のIDが常に保証され、なりすましもできない。みんなに見られている状態なので、悪いことはできない。これによって自然と信頼性が実現・維持される
・ テクノロジーが一部の技術者や先進的IT企業だけのものではなくなっている。だから、ユニコーン企業も事業・社会行動の起点になりえる。
・ リソースをオープンにし、社会と一体化させる。
・ 今先進国が移行しつつあるのは、これまでのような企業・産業の都合で商品・サービスを量産し、ユーザーに提供する会社ではなく、ユーザーが自律的に活動し、様々な価値を企画・共有しながら実現していく社会だ。そこではユーザーの考えや行動を積極的にサポートできる企業・産業だけが存続を許される。
・ ユーザーにとってモノは手段であって目的ではない。手段に対価を払うのは目的である価値を得るためであって、モノを買って所有するためではない。手段であるものを所有するのは、使用頻度が高く持っていた方が都合がいい場合があり、決して所有すること自体に価値があるからではない。
・ UXとは手段ではなく目的である
・ リソースの非稼働部分を見える化し、解放し、社内・社外と共有し、事業のUX最大化に寄与するように提供できれば、それは宝の山に変わる。業界を超えてリソースを融通し合うことで、UX最大化を軸としたシェアリングビジネスを創出していく潜在力、新たなユニコーン企業をいくつも生み出していく可能性があるのだ
・ シェアリング:グッズ(モノ/商品・部材・材料など)、スペース(空間・施設)、タスク(仕事・作業)、トランスポーテーション(輸送手段/車など)というジャンルがある
・ これまでのビジネスでは「市場のシェア」が市場の排他的占有率を意味してきたのに対し、シェアリングエコノミーにおける「市場のシェア」は複数のプレイヤーが市場を文字通り分け合う・シェアすることを意味する。様々な業界・企業がそれぞれの市場を開放・共有することで、単なる数字の足し算ではなく、相乗効果を生み出すダイナミックなコミュニティを創造することができる。
・ これまでの機械学習はスーパーコンピューターの大容量メモリに大規模なロジックをプログラムとして組み込み、結果をアウトプットしていただけだが、これからは大量のデータを与えられると、そこから学び、自ら賢くなる(=AI)
・ 経営者自身がエンドユーザーであるビジネスに取り組む
・ UXビジネス成功の鍵は「会員数」「アクティビティレベル」「つながり」のループ
・ アクティビティレベルを上げる取り組みや広げる取り組みが必要
・ 水平恊働型の役割分担
リーダー:ユーザーの立場で商品やサービスを考える
プロフェッショナル:課題解決能力を持ち、UXリーダーが考えたことをビジネスとして具現化していく
スペシャリスト:特定の領域において優れた技能を持ち、商品・サービスの具現化をしていく過程でそれぞれの役割を果たす
・ 日本人の特性というと、垂直型の「上意下達」を尊ぶ古い体質をイメージしやすいが、その根底には利欲にとらわれず、相手のため、仲間のため、地域のため、世の中のために行動することをよしとする文化がある。水平連携のシステムやカルチャーがこの国には地下水脈のように存在している
・ UXビジネスの成果を測る指標としては、数量やユーザーのアクティベーションといったものもあるが、最も重要なのは「つながり」「コラボレーション」「シェアリング」かもしれない

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 【教養】
感想投稿日 : 2017年1月29日
読了日 : 2017年1月29日
本棚登録日 : 2017年1月29日

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