みかづき

著者 :
  • 集英社 (2016年9月5日発売)
4.17
  • (575)
  • (593)
  • (250)
  • (26)
  • (9)
本棚登録 : 4593
感想 : 601
4

星4つか5つで悩んだ。一つは、この世界観が妙に現実味を帯びていて、もっと言えば一介の教師が語る教育論の、数倍の深淵に到達している。これを読むと、やはり小説家は勤勉なのだなという思いと、教師が怠惰なのかという煩悶が渦を巻く。みかづきのタイトルがずば抜けて秀逸。まさに、教育を語る心中には、常に満たされない、そして満たされてはいけない向上心ありき。登場人物の多くが、それぞれのベクトルに全身全霊研鑽を積む様子が、実に素敵で、頑迷で、教師だなあと感じた。しかし、物語そのものが一貫した推進力をもっておらず、どことなくエッセイに近い感じも受けた。これは、映画化したら面白くなりそう。AllWAYS三丁目の夕日のような、オレンジ色の映画になりそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年6月22日
読了日 : 2017年6月22日
本棚登録日 : 2017年6月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする