過去のほろ苦い出来事ががんじがらめにする現在を描きたいなら描けばいい。きっと辻村深月なら描ける。また、それがいかに複雑に絡まっていたとしても、著者がそれを望めば、見事に絡まりを解く力量だってあるはずだ。それも、爽やかに、温かく。ここで叙述トリックのような倒錯を入れる必要がどこにあったのかと問いたい。自分の書いてきた作品に囚われることなく、もっと作品そのもののために自由であっていいじゃないかと。つまりさ、読みにくかったってことです。作品ファーストであるべきで、作者ファーストでも読者ファーストでもないってこと。でも多分、その乖離こそが何よりも難しいはず。
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- 感想投稿日 : 2017年1月30日
- 読了日 : 2017年1月30日
- 本棚登録日 : 2017年1月30日
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