くまとやまねこ

著者 :
  • 河出書房新社 (2008年4月17日発売)
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本棚登録 : 2262
感想 : 325
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くまと、小さなことり。
どんなに大好きでも、”生きている”限り、ずっと一緒にはいられない。

「こんな日が来るなんて・・・」
ある朝起きると、ことりは静かに横たわったまま。
あまりにも大切な存在を失ったとき、心の支えが突然失われたときでした。

「忘れなさい」
そう周りの動物たちはささやきます。

そんなある日、旅をしていたやまねこに出会います。
自然と悲しみを包み込んでくれるやまねこと話すうちに、
くまはことりと過ごしてきた日々を一つ一つ、思い出していくのです。

「忘れる」のではなく、「乗り越える」のではなく、
悲しみは悲しみのまま抱えていても、前に進めること。
くまは自然と、ことりの死に向き合えるようになっていきます。

早く立ち直るのではなく、自分のリズムを刻みながら生きてね。
大切な人を失ったすべての人に、そんなメッセージをくれるような1冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本(大切な人を想う)
感想投稿日 : 2012年4月30日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年4月30日

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