オールズバーグの絵の美しさにつられて読むと、幻想的でくらっとしてくる。
対象を大きく描いて、時に上から、時に下からとアングルも自在で、精密で丹念なパステル画に見入っているうちに、一気にその世界に入り込んでしまう。
キャラクターの描き分けも素晴らしく、主役のアクの強さと愛犬(?)の哀れさが際立っている。
でもストーリーは子供には怖い。痛快と思うのは私が大人だからか。
読み手の期待どおりのラストに持って行ってくれるが、小さな読み手には結末の「もやっと感」が後味が悪いかもしれない。これを「してやったり!」と思えるにはある程度の年齢でないと。
約9分。高学年以上に。
主人公の潔癖な歯医者さんは、最初は憎たらしかったが読み返すと案外味がある。
その主人公にちっとも愛情をかけられない飼い犬は、何やら可哀想に描かれているが、これはちょっとしたフェイント。
下手に同情などせず、安心してお読みあれ。
ラストで、ふぅん・・・ふっふっふと、思わず微苦笑する。
ブラックな味わいがちょっと癖になりそう。
夢をまさ夢にするといういちじく。
あなただったら食べますか?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
オールズバーグ
- 感想投稿日 : 2017年4月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2017年4月17日
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コメント 2件
mkt99さんのコメント
2017/04/17
nejidonさんのコメント
2017/04/18