ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫 40-A)

  • 147人登録
  • 3.45評価
    • (6)
    • (22)
    • (42)
    • (0)
    • (1)
  • 14レビュー
制作 : 桑名 一博 
nekonoteさん  未設定  読み終わった 

マルケスの魔術的リアリズムの都「マコンド」を舞台にした短編集。
その後のマルケス作品の特徴でもある幻想性や魔術的手法はほとんど目立たたない。
徹底的なリアリズム視点で、
20世紀南米の「貧しさ」「政治の腐敗」が極めて端的に語られる。
ただし、人々の生活をリアルに描けば描くほど、
むしろ日常がどこかねじれた滑稽なものとして浮かび上がる。
『大佐に手紙は来ない』
『火曜日の昼寝』が特に印象深い。
「貧しさ」は大抵正直者(いささかの皮肉も込めて)に押し付けられ、
往々にして賭け事や犯罪と隣り合わせで、
いつの時代も「政治」によって生み出される。

何十年も前に政府からもらえると言われたはずの恩給の通知がいつか来るはずだと信じ続ける大佐。
信じる大佐がおろかなのか、政変を理由に「無かったこと」にする政治が悪いのか。

「そんなのんきなことではいけませんよ、大佐」先生が言った。「われわれはもう救世主を待っていられるほど若くはないんですから」

年金問題を考えると、地球の裏側、半世紀前の話と笑ってもいられない。

レビュー投稿日
2017年1月9日
読了日
2017年1月9日
本棚登録日
2017年1月9日
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫 40...』のレビューをもっとみる

『ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫 40-A)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする