涙なくしては読めなかった。
著者の人生もさることながら、著者のおかあさまも随分苦労続きの人生だったこと。
早くに父を亡くし四人姉妹の長女として母の右腕としてだれにも甘えられずひたすら働きつづけ、そして多分初めて甘えられる好きな男性と恋に落ちた。その結果、未婚で子ども(著者)をどうしても産みたくて産んだ。そのことを誰が責められよう。
それからも、地域の差別的な環境の中、味方であってほしい自分の母親とも(著者にとっては祖母)考え方が合わず、それでも妹たちの学費のためとすごい張り詰めてぎりぎりがんばってきて、とうとう神経を病んでしまう。それを誰が責められよう。
救いだったのは著者がそうであるように、とても聡明でリベラルな考えの持ち主だったこと。(だからこそ生き辛かったのかもしれないが…。)
そしてその資質を受け継いだ素晴らしい娘(著者)を授かったこと。
その娘に七年の在宅介護の末、見取られて晩年はきっと
心安らかだったに違いない。
著者の自伝、”あなたの庭ではあそばない”をまた読みたくなった。
あと落合さんの高校時代のあだ名が”金太郎”ってのも意外だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年8月30日
- 読了日 : 2017年8月30日
- 本棚登録日 : 2017年8月30日
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