山河果てるとも 天正伊賀悲雲録 (角川文庫)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年12月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041006160
作品紹介・あらすじ
平和を享受してきた伊賀国に暗雲が垂れ込める。隣国の伊勢を手中にした織田信長の侵攻が、いよいよ始まろうとしていた。伊賀国衆の子弟たち、忠兵衛、小源太、勘六、左衛門の4人は、押し寄せる信長の軍勢を前に、それぞれの選択を迫られる。信長の走狗となる者、屈辱に耐えようとする者、信長の命を狙う者、そして、特別な道を選ぶ者。故郷を愛した竹馬の友は、非情な運命に引き裂かれていく…。
感想・レビュー・書評
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信長による天正伊賀攻めを題材とした歴史物
時勢の捉え方、己の生きざま、多種な捉え方をしている。
織田信雄の性格、そしてその取り巻きと謀略。
勝者よりも敗者に清々しさを感じさせる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
故郷や一族を守るため、それぞれの立場で壮絶に戦ったということが、強烈に心に残った。
伊賀を訪ねて空気を感じてみたい。 -
哀しい物語でした。
人間の”業”ってなんだろう・・・。 -
人にはそれぞれの゛世界゛がある、かぁ。私の゛世界゛は、どこだろうか。
読み終わって、改めてタイトルの秀逸さに溜め息がでる! -
天正伊賀の乱を描きながら、忍者ものではないのは好印象。逆に、忍者ものが読みたい場合は、他の作品を探してください。
伊賀と甲賀が、敵対しているわけではないのも好印象。
ただ、甲賀側に忍者色が出てしまっているのが残念。 -
自分ひとりの力では抗えない、大きな力に出くわしたとき、人はどう生き方を選ぶのか。
立ち向かうのか、付き従うのか、逃げるのか。
作中の人物それぞれが導きだした結論に、あれこれ異議を唱えはしないけれども、竹馬の友ともいうべき間柄が崩れ去っていくのは、やはり悲しく迫ってきます。
引き裂かれた運命は、袂を分かれた人生は、再び交わることなく進むのみ。 -
全1巻。
織田信雄による伊賀攻めを
伊賀の若者たちを通して見た物語。
戦国当時、領土戦争に明け暮れていた日本の中で、
領土的野心とは無縁だった別天地、伊賀の郷。
このまま変わらない毎日を送ると思っていた若者たちだが、
織田信雄の欲のために人生を激変される。
みたいな話。
4人の若者たちが、
それぞれ戦争後に今までの人生観とは逆の生き方を選ぶ。
その葛藤や経緯を描いているんだけど、
なんでかいまいちのめり込めず。
背景描写がややくどいのと、
救いの無い感じがあまり好きじゃなかった。
あと、伊賀攻めだけどみんな武士。
忍者vs武士みたいなワクワク大合戦ではありません。