本日は、お日柄もよく

著者 :
  • 徳間書店 (2010年8月26日発売)
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 製菓会社のOLである主人公のこと葉が、片思いの幼なじみの結婚式で伝説のスピーチライター 久美に出会う。久美に弟子入りし、友人の結婚式で行うスピーチの準備をする中で、言葉の持つ力に目覚め、会社を辞めて自らもスピーチライターを目指す。幼なじみの選挙に関わる中で、仕事を通して成長する主人公の姿がみずみずしい。また、ライバルのイケメン ワダカマとのやり取りも好ましい。

 以前読んだ「舟を編む」でも感じたことだけれど、言葉の持つ力を改めて意識するようになった。伝えたいことがあっても、ただ闇雲に言葉を並べるだけでは相手には伝わらない。伝えたいことを、伝えたい気持ちを自覚して、どうしたらより相手が受け止めてくれるのかを工夫する必要があるんだよね。
 日頃、雑な言葉を並べているなぁと反省。言いたいことをただ言うだけでは、吐き出しただけに過ぎず、一方通行で終わってしまいがち。仕事上だけでなく、日常の会話においても、一考させられた。
 また、主人公を取り巻く家族(厚志君の家族も!)が魅力的。特に、おばあちゃん。この人の描写を読んでいると、お年寄りって、長く生きてきて身につけた知恵や感性があって、一目置くべき存在であるとしみじみ思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 原田マハ
感想投稿日 : 2012年10月8日
読了日 : 2012年9月29日
本棚登録日 : 2012年10月8日

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コメント 2件

koshoujiさんのコメント
2012/10/10

コメントありがとうございました。

私は詳しいあらすじを書くのが時々面倒くさくなるので、自分の思いのたけを自由に書いているだけです(笑)
原田マハ良いですよね。
最初は単にタケヤガヤケタみたいな変わった名前だなあぐらいしか思ってなかったのですが、ブクログで「楽園のカンヴァス」への評価が高かったので、読んでみたら、感動モノでした。
これからも目が離せません。
というより、既に出ている作品をもっと読みたいなと思っています。
いろいろな作品に対するnicoさんの今後のレビューも楽しみにしています。

HNGSKさんのコメント
2012/10/30

私も、Nicoさんと同じように、この作品を読んで言葉の大切さを再認識した一人です。これからも、良い作品があれば紹介してください。

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