製菓会社のOLである主人公のこと葉が、片思いの幼なじみの結婚式で伝説のスピーチライター 久美に出会う。久美に弟子入りし、友人の結婚式で行うスピーチの準備をする中で、言葉の持つ力に目覚め、会社を辞めて自らもスピーチライターを目指す。幼なじみの選挙に関わる中で、仕事を通して成長する主人公の姿がみずみずしい。また、ライバルのイケメン ワダカマとのやり取りも好ましい。
以前読んだ「舟を編む」でも感じたことだけれど、言葉の持つ力を改めて意識するようになった。伝えたいことがあっても、ただ闇雲に言葉を並べるだけでは相手には伝わらない。伝えたいことを、伝えたい気持ちを自覚して、どうしたらより相手が受け止めてくれるのかを工夫する必要があるんだよね。
日頃、雑な言葉を並べているなぁと反省。言いたいことをただ言うだけでは、吐き出しただけに過ぎず、一方通行で終わってしまいがち。仕事上だけでなく、日常の会話においても、一考させられた。
また、主人公を取り巻く家族(厚志君の家族も!)が魅力的。特に、おばあちゃん。この人の描写を読んでいると、お年寄りって、長く生きてきて身につけた知恵や感性があって、一目置くべき存在であるとしみじみ思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
原田マハ
- 感想投稿日 : 2012年10月8日
- 読了日 : 2012年9月29日
- 本棚登録日 : 2012年10月8日
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コメント 2件
koshoujiさんのコメント
2012/10/10
HNGSKさんのコメント
2012/10/30