脱藩後、道が定まりきらなかった竜馬が勝海舟と運命的な出会いを果たし、自分の成すべき道がより明確になり物語はスピードを増していく。竜馬は勝海舟と共にし、他の尊皇攘夷志士たちとは一線を画した考えを持ち、神戸海軍操練所の設立に至る。ペリー来航時も黒船を見て周りが恐れ慄く中、あの船に乗りたいと言っていた竜馬は、自身で艦隊を作って幕府を倒し日本を変えるという想いが日に日に確固たるものになっていく。「人間は何のために生きているか。事を成すためだ。志を抱けばそこに向かって事が進捗するようにのみ動く。目的が成就できなくても目的への道中で死ぬべきだ。」というこの巻で出て来る竜馬の言葉は非常に印象的だった。志を抱かない者、志を抱いても途中で投げ出してしまう者、確固たる志を持ち貫ける者が最も少ないように思う。その中で、この言葉を言ってのけ、この言葉通りに生きた竜馬に真の強さを感じた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2017年12月4日
- 読了日 : 2017年10月30日
- 本棚登録日 : 2017年11月29日
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