「森を見る力」とは、「出来るかぎり遠くの地点から、現在の自分を見る力のこと」と本書の最初で定義されています。
具体的にどのようにするのかというと・・・、全くわかりませんでした。
ひととおり読み終えてみて、著者がいう「森を見る力」とはどのように身につけるのか、その方法の糸口も見えないモヤモヤとした感情が残りました。
この本には何が書いてあったのか。戦後の社会変容について、企業は、政治は、組織の在り方はどのように移り変わったのか。出版、テレビ、音楽、ゲームはどう変わっているのか。また、インターネットの登場で私たちの生活がどのように変化し始めているかなどが、多様な事例とともに紹介されています。
まるで、NHKを朝から晩まで見ているかのようでした。
筆者が伝えたいことは何だったんだろうと改めて読み返すと、「森を見る力」について書かれているのは序章の全7ページだけではないでしょうか。
「出来るかぎり遠くの地点から、現在の自分を見る力のこと」とあるように、この7ページ以外の約300ページの情報は、私が出来るだけ遠くに行くためのきっかけとなっていて、「多様な情報を詰め込んだけど、あなたはこれらのことをどう思う?」というのが筆者のメッセージではないかと。
興味のない、知らない情報に触れたとき、それをどう解釈して自分の考えを出せるか、それが森を見る力なのかもしれません。
だとすると、この本を読んだときにポカーンとした私は、まだまだ森をみれていないことがよく分かりました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年8月25日
- 読了日 : 2016年8月25日
- 本棚登録日 : 2016年8月5日
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