高杉良氏描く企業社会小説の登場人物は、全員実にリアルで、生き生きと動き出す。緻密な取材に基づいたストーリー構築にいつも納得だ。
8つの短編小説集だが、ほとんどが企業トップ層の人事を扱う。
中でも特に、「労組管理会社」に登場する労組委員長は、かつての日産自動車の人事を壟断したことで有名なあのS委員長を髣髴とさせる。
高杉氏が、短編でまず試しておいて、あとで膨らましてあの長編になったんだといった推理も、ファンとしては楽しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
企業小説
- 感想投稿日 : 2012年4月5日
- 読了日 : 2012年4月5日
- 本棚登録日 : 2012年4月5日
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