子供の頃、住んでいた家のすぐ前に、米軍基地があった。その基地からいつのまにか人の気配がなくなり、気がつくと、金網の向こうにある、決して手の届かない廃墟となっていた。
米軍が駐留していた活気あふれる頃と、廃墟となり少しづつ植物に浸蝕され野生へと変容していく過程を自分は覚えている。
そしてその空間は、公園へと「破壊」され、既に存在しない。
廃墟とは、かつては人の営みで賑わった記憶の残照のようなものだと思っている。活気ある生活拠点としての「端島」を知らずして、あの島の魅力は理解できないと個人的には思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
公園、緑地、都市計画、建築
- 感想投稿日 : 2010年8月1日
- 読了日 : 2004年10月14日
- 本棚登録日 : 2010年8月1日
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