桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2012年4月20日発売)
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本棚登録 : 595
感想 : 68
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この作品だけだったらそんなに気にしないのだけれども、どの作品についてもあちらこちらですこぶる評判がいいので、とても気になり、まずはこれから、と読んでみた。正直、すごく若い作家だから、文章もイマドキな感じなのかな、高校生の話なんてついていけないかも、とあまり期待していなかったんだけど、すぐに入りこめてぐんぐん読めたし、おもしろかったし、すごくよかった。そんな資格まったくないのに上から目線で偉そうに言うと、ストーリー運びも文章も達者、って感じで、安心して読めた。高校生女子のパートも若い男性が書いたとは思えない。
文章も、いい意味でごく普通というか、もってまわったところがなくてすごく読みやすくて、勢いがあるのに繊細な感じがよくて。

なんだろう、高校生の話とか青春もの、っていうと、きれいごとすぎる感じがしたり、まっすぐさが鼻についたりすることあるけれど、そういうのが全然なくて、すごく素直に受け入れられる感じで。
高校生ひとりひとりのパートになっていて、起承転結があるわけでも、とくに盛り上がるっていうわけでもなく、淡々としている構成がいいのかな。

ほかの作品もぜひ読んでみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年5月20日
読了日 : 2013年5月20日
本棚登録日 : 2013年5月20日

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コメント 2件

meguyamaさんのコメント
2013/05/20

ですよねー。どの作品もまさに「達者」ですよ。あまりに達者すぎて最近憎らしくなってきたほど(笑)。エッセイも面白すぎるし。『何者』もすごいけど、『少女は卒業しない』も胸キュンキュンキュンでした。

niwatokoさんのコメント
2013/05/20

meguyamaさんが誉めてたので読んでみたのです、教えてくれてありがとう、読んでよかったです!
なんかほかの新人作家とか若手作家に比べてずばぬけてうまい気がしたんですが。文章が嫌味がなくて読みやすくて。普通なのにまったく退屈ではないし。「何者」も「少女~」も読んでみたいです。

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