三国志〈2〉参旗の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (1996年12月1日発売)
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感想 : 19
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呂布。どんな三國志でも、序盤の魅力はやはり、彼だろう。
マザコンであり戦士である彼の、母や揺、陳宮、黒騎兵、胡郎との会話や触れ合いは、油断すれば涙が出てくるほどに心を揺さぶられる。彼にとっての董卓や丁原を見ていればより一層。
呂布と陳宮の関係は何というべきなのだろう、友情と言えるのだろうか。「士は己を知る者のために死す」という言葉からすれば、形と逆転して呂布が陳宮に仕えているように見えなくもなく、実際陳宮を救いに行って呂布は死ぬ。まぁでも、互いが互いを大事に思うという点から見れば、やはり『友』というのが一番近いのかもしれない。
自己投影するには難しい呂布(まぁするんだけど)の側で共に戦う陳宮を見て一番強く思うことは「羨ましいぞ、陳宮」ってところじゃないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年6月6日
読了日 : 2012年6月6日
本棚登録日 : 2012年6月6日

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