淡い水彩で切り取られるパリには、記憶が生きている。
そして、それらは奇跡的な出会いを果たし、
新たな記憶を因り合わせていく。
そのきっかけは一冊の植物図鑑。
それを唯一のものと大事にする少女の想い。
そして、彼女の願いに答えようと本を修復する
ひとりの老人の人生。
風が秋の葉をさらい、時間は静かに過ぎ去り、
彼女は夢のひとつにたどり着く。
物としての本が象徴する言葉のほんとうの強さと
それを信じることがひとりの人間の人生を変え、
世界に強く働きかける。
そう、誰もが口にはしてもほんとうには信じてないけど、
一冊の本が世界を変えることがあるのだ。
そして、これはそんな一冊。
ささやかな願いの言葉。
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- 感想投稿日 : 2011年8月24日
- 本棚登録日 : 2008年11月28日
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