ルリユールおじさん

著者 :
  • 理論社 (2006年9月1日発売)
4.35
  • (284)
  • (120)
  • (98)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 1159
感想 : 222
5

淡い水彩で切り取られるパリには、記憶が生きている。
そして、それらは奇跡的な出会いを果たし、
新たな記憶を因り合わせていく。

そのきっかけは一冊の植物図鑑。
それを唯一のものと大事にする少女の想い。
そして、彼女の願いに答えようと本を修復する
ひとりの老人の人生。
風が秋の葉をさらい、時間は静かに過ぎ去り、
彼女は夢のひとつにたどり着く。

物としての本が象徴する言葉のほんとうの強さと
それを信じることがひとりの人間の人生を変え、
世界に強く働きかける。
そう、誰もが口にはしてもほんとうには信じてないけど、
一冊の本が世界を変えることがあるのだ。

そして、これはそんな一冊。

ささやかな願いの言葉。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年8月24日
本棚登録日 : 2008年11月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする