ちょっと風変わりなお父さんばかりが出てくる短編4本がまとめられた、中島らもの「児童書」。<br>

大人の筆力を持ちながら子どもの目線で書かなくては児童小説など作れない。簡単なことばで、世界の楽しみや広さをさりげなく伝えるなんて、優しくないと不可能だと思う。<br>
<br>あとがきも印象深い。<br>
「大人になると、だれからもしかられないと思っていたのは大まちがいで、大人もいろんなえらい人からしかられているのです。
・・・・(中略)・・・・
大人は、そんなことが子どもに知られるとかっこうがわるいから、だまっているだけだったのです。」<br>

「ただ、おもしろいのは、大人というのは子どもが大きくなって、まったく『性質』のちがう『大人』というべつの人間になるのではないということです。大人には子どもの部分がまるごと残っています。子どもにいろんな大人の要素がくっついたのが大人なのです。そう思って、きみたちのお父さんを観察してみると、このことはすぐにわかるはずです。」
<br>
ああ、そうか。
そんな哀しみと可笑しさとがないまぜになっているから、私は彼の作品に惹かれるんだな・・・

カテゴリ 小説

この映像は見ていて心から楽しめるというものではありません。<br>
少なくとも今は。見ていて切なく痛々しいことがイタルトコロにあるわけで。それでも見たいから見て居るんですけれどね。<br>
再活動を待っていたときは、どの映像を見ても、ただただ楽しかった。
もうすぐ戻ってくるだろう と無理にでも信じていられたので(笑)<br><br>

<blockquote> <FONT COLOR="#FF4500
">みなさんも、充実した、21世紀を、すごして、オレたちがいつか帰ってくるときに、素晴らしい、悔いのない人になっていてほしいな、なんて、思います!!</FONT></blockquote> <br>
吉井さんのMC この言葉は 少なくともあの瞬間は、きっと本心だったのでしょう。<br>
人間なんて、今思っていたことが明日は違う なんて、よくあること。<br>
別にそれ自体不思議なコトではないし、悪い事でもない。変化するのは仕方がないことだからね。<br>
「永遠」を口にすると、そこはかとない嘘くささが漂うもの。そして「永遠」は努力しないと実現しないもの。<br><br>
だから長く続けているロックバンドというのは並々ならぬ努力をしているんだよ。<br>
そしてファンはいつも永遠を夢見ているのです・・・そんな夢がないとずっとファンで居るなんて出来ないですからね。<br>
そうしてみると、ファンというのはある面では「莫迦な女」に似ているのかも(笑)<br>
愚かだけど可愛いもんだ と思いませんか。<br>

カテゴリ ROCK

過去に初めて会うような気分・・・見たことのない過去の映像は不思議な気持にさせられます。<br>

既に殆どのライブ・ビデオ映像を見ているはずなのに、「知らなかった彼らの姿」がとても新鮮です。<br>
93年から98年までの映像が収められていて、バンドとしての成長期をまとめて観られるゴージャスな内容。<br>
特にフロントマンとしての吉井さんの変化が如実で素晴らしい。<br>
何となく頼りなげで不安定な93年のライブ、95〜96年に跨る迫力の年越しライブ、貫禄の98年ライブという具合。<br>
個人的には“I”ってホントにライブ映えのする曲だなあとしみじみ。<br>
圧巻は「空の青と本当の気持ち」と「見して見して」。ミディアム・テンポのはずの「空の青と本当の気持ち」で渾身の歌を聴かせる姿が鬼気迫ります。 <br>
アルバムや曲だけではなかなか触れることの出来ない、ライブバンドとしての凄み。<br>
ライブがアルバム収録曲のイメージを良い意味で覆すことのできるバンドはやはり稀有です。<br>
もし、私が彼らのライブ映像を見ていなかったら、ここまで好きにはならなかったろうなぁ・・・。

カテゴリ ROCK

この作品は前作「<a href="http://paradise-city.jugem.jp/?eid=60" target="_blank">クレイジーカンガルーの夏</a>」のスピンオフ作品。<br>
とはいえ、前作から読んでいるひとにもそうでないひとにも充分読み応えのある作品になっている。<br>

今回の主人公「菅野晴」は中学1年生の少女で、優等生の両親に育てられたせいもあり、いまひとつ自分に自信が持てない。<br>
学校と家庭の日常を平穏に暮らしたければ、自分の心を無防備に露わにせず上手に振舞う必要がある。しんどいけれど、そうしないと尚面倒なことになることも察しがつくから・・・。<br>

そんな日常の延長は合唱コンクールを契機にして、晴を含む彼らに現実と向き合うとはどういうことなのかを気付かせていくのだった。<br>
その風景の先に広がるのはビリー・ジョエルの「ピアノ・マン」。<br>
たぶん私は今後ピアノ・マンのイントロを聴くと、この美しい反逆のシーンを思い浮かべるだろう。<br>反社会的な態度を取るだけが反逆ではなく、しなやかに挑戦することもその手段であるということ。ロックの本質は、そこにあると思う。サラ・ヴォーンの「ラヴァーズ・コンチェルト」、YMOの「RYDEEN」、ビートルズの「SHE'S GOING HOME」ブルース・スプリングスティーンの「RACING IN THE STREET」・・・ここでは紹介しきれない挿入歌の全てが、単なる演出上のB.G.M.でなく作品のストーリーとしっかり切り結んでいるのが素晴らしい。<br>
うーん、やっぱりこれはサントラが欲しいですね マジで(笑)

カテゴリ 小説

「クレイジーカンガルーの夏」は誼 阿古(よしみ あこ)さんのデビュー作に当たる。<br>
都会でもなく田舎郊外の、旧来的イエ制度というのは厄介だ。旧来の大人たちは自分達にとって都合のいい封建主義だけを利用しようとするので、現実に生きなければいけない若い世代はその価値観のギャップに悩む。<br>
それでも確実に時代はバトンタッチされていくし、されなくてはならない・・・しかし、そのバトンタッチは必ずしも大団円に進められるわけではなく、様々な葛藤と軋轢を生み出しつつ、変わるものと変わらないものを馴染ませながら、ほんの少しずつ前に進むのだろう。<br>
ライトノベルというカテゴリのなかで、著者はよくこの「実感としてわかってもらいにくい家庭環境」を背景に少年の成長を描ききったものだ。<br>
少年時代に聴いた音楽とか見ていたアニメとか読んだ小説とか色々、それら全てがかけがえのないものとして描かれていて愛情ある描写が居心地良い。1979年が舞台の作品で主人公が気に入るのは「はっぴいえんど」好きなアニメは「ガンダム」兄の部屋から流れてくるのはイーグルスやクラッシュ サザンの「いとしのエリー」・・・・
思春期に「それがあったから生きてこられた」という音楽とか漫画とか映画が「在る」ということは本当に幸せな時間だし、いまの中学生にこそ、そういった存在が必要なんではと改めて感じさせられた。<br>
大人になった広樹にとってカーラジオで流れてきた「はっぴいえんど」はきっと彼にとって唯一無二のものだったろう。<br>
そんな音楽は、きっと誰にでもあるはずなのだ。<br>

カテゴリ 小説

「ひとりの人を一途に思い続ける」ばかりが別に「純愛」なわけじゃない・・・愛のかたちは時に社会的常識とは違ったりもするのだから、理解しがたい純愛もこうして存在するのだ。<br>
初めて読んだとき、「結局の所、ひとはひとを根源的に救ったり支えになったりすることは不可能なことなんだ・・・」と目の前に突きつけられたようで、寂しく孤独な諦観と強い苛立ちを強く覚えたものです。<br>
「こんな居心地の悪い作品が何でベストセラーになったんだろう?」と当時は不思議でした。<br>
当の村上氏本人も「どうして売れたんだろう・・・」と訝しんだといいますから、一体何が売れる作品なのかという基準は分からないものです。平穏な顔をしながら非現実的な作品を楽しむ というだけでは、ここまで大ヒットはしないと思うのだけどね。<br>

レビューなどでは賛否両論ですが、この作品はかなり感覚的・生理的に「共感する部分があるかどうか」によって、評価が分かれると思います。<br>
共感する部分が無いひとにとっては、主人公に対して抵抗を感じるだろうし、キャラクターの描かれ方も荒唐無稽な印象が残りそうです。<br>
共感する部分が少しでもあるひとは自分の体験がフラッシュバックするかもしれません。ある意味、「読む人を選ぶ作品」だと思う。

カテゴリ 小説

改めて読み返してみて、昔よりも「救い」が感じられたのが自分の変化でしょうか。昔は、ただただ辛い話だと感じていましたので。<br>
あと、どう見積もっても60〜70年代の洋楽が好きなひとでないと、面白みは半減するでしょう。<br>いや、違うな。ストーリー自体の面白さは半減しない。BGMがイメージできるほうが作品の世界観がよりハッきりして面白さが倍になると言ったほうがいいでしょうか。<br>
だから尚、ベストセラーになったのが腑に落ちない。何だかんだ言っても、日本って洋楽ファンってマイノリティーですからね(笑)

カテゴリ 小説

読んでいると、自分もまるで田舎の砂利道をのんのんばあと一緒に歩いているかのような気分になってきます。<br>
私の生まれ育った故郷も竹藪や林が多く、藪に踏み分け入れば柵も無い溜池や蜜柑山の点在する地域でした。<br>
晴れているのに雨が降っている「狐の嫁入り」の話などは、子供の頃に小母さんが話してくれた様子とよく似ています。だから「のんのんばあは笑いもせずにまじめな顔でいうから」という雰囲気が何となく分かる気がするのですよね。<br>
戦前は美徳だった「信心深い」という心は、戦後、効率化が求められて経済優先になるにつけ「うさんくさいもの」になり下がってしまった感があるのですが、同時に、見えないものを見る力は明らかに低下している感じがします。<br><br>

でも本当はみんな、妖怪を見たい気持ちがあるんじゃないかな。<br>
そうでないと、町ぐるみであんな立派な妖怪ロードを作ったりはしないと思うのです。<br>
妖怪を見ながら歩いていると、異世界散歩をしているようで楽しいんですよ。水木しげる記念館の前に一番堂々と立つのは「のんのんばあと幼い頃の水木しげる像」です。<br>
代表作である「鬼太郎」より目立つポジションにのんのんばあが居るところが、いいセンスしてますよね(笑)<br>
水木氏の「原点」ここにあり というのがさりげなく主張されている気がしました。

カテゴリ エッセイ

どことなく「スタンド・バイ・ミー」を思わせる雰囲気漂う、少年3人の物語。<br>
<br>
この本のカテゴリは「児童書」ですが、大人が読んでも充分な手ごたえがあります。
というか、真に良質な児童書は子供にとっても大人にとっても良質なものなのですよね。<br>

登場する少年はそれぞれにどこか満たされないものを感じていて、家庭環境もそれぞれに異なる問題を抱えています。<br>
そんな彼らがある日、「もうすぐ死ぬかもしれないおじいさん」を「観察」して、ひとの死ぬところを見てみたい といった残酷な興味を持ちます。<br>
制約だらけで生気の無い毎日の捌け口として「おじいさんの観察」を始める少年たちは、奇妙な成り行きでこの「1人暮らしのおじいさん」と関わっていくことに・・・。<br>

子供は生まれてくる場所を自分で選べない。それ自体がこの世の不条理だと感じる子供は少なくないと思う。子供が純真で無垢だなんて嘘。小学生だって幸せで楽しい時間ばかりじゃない。子供の世界も生きていくのはそれぞれにキビしいのです。<br>
世界は広いのに閉塞している・・・そう感じたことのある子供やかつて子供だった人々にとって、ここに広がる「夏の庭」は「それでも、この世界で生きていくのもそんなに悪くない」という気持ちにさせてくれます。<br>
時々読み返したくなるのは、それでかもしれません。       

カテゴリ 小説

1980-81年にかけて執筆、単行本としては83年に発表された「童夢」。<br>
「気分はもう戦争」や「ハイウエイスター」等々の作品で卓越した画力と個性を持った漫画家と評価されていましたが「童夢」はそれら作品の集大成を兼ねた会心の出来だったと思います。<br>
初期作品の若者の貧乏臭さとか汗の匂いとか生活感溢れすぎの部屋とか、あのへんは何となくつげ義春っぽい暗さとアジア的湿気が漂っていたもんですが「童夢」は団地が舞台。<br>
無機的な巨大団地のなか、人々は大勢居るはずなのにどこか孤独。ひんやりとした都会の空の下、超能力の闘いが行われます。それも老人と少女の間で。<br>
団地でのサイキック・アクションは革新的な表現で圧巻。日常に潜む非日常・崩壊する世界・心理的恐怖。こんな緊張感ある作品ほかに見たことないです。<br>
人は老いるにつれ幼児に近くなっていくといいますが、ここに出てくるチョウさんは一種のアダルトチルドレンなのだという説を頭の隅に留めたまま読むとまた違った側面が見えてくる気が。

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高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之の3人によって結成。それぞれの頭文字の「高」「赤」「中」を英訳してハイレッド・センター。<br>
ネーミングからしてぶっ飛んでます。<br>
この時代はオノ・ヨーコ 横尾忠則 岡本太郎 などなどの蒼々たる方々が日本で芸術活動をしていたのでした。<br><br>

ハイレッド・センターの芸術「ハプニング」は<br>
「・・・へ?」<br>
と 思うようなものばかりなんですが 凄いです。<br>
私が爆笑したのは「新橋の洗濯バサミ」。<br>
ネタバレになるとつまらないのでタネは明かしませんが、ナンセンスさ・シュールさが斬新で概念破壊を楽しめますよ。<br>
これを読んで、「時代は先にやったもん勝ちなんだな」と思いましたね。(同じ時代に生まれたかった〜)<br>
有名なのは 例えば「宇宙の缶詰」
<br>
食べ終わった蟹缶のレッテルを剥がし、内側に張り直してハンダ付けで密封したもの。<br>
宇宙は蟹缶の中身になってしまいました。<br>究極の梱包芸術・・・<br>
結局このあと 当の赤瀬川氏ご自身も現代美術界からは遠のいて行くわけですが、そりゃあ宇宙を缶詰にしてしまったら、それ以上スケールの大きな作品なんか作れないですよ。<br>既成概念を破壊した末に行き着いたのが、超ミニマムな作品だったというのが何とも皮肉ではありますね。<br>
でも この時代の「ハプニング」「ネオダダ」作品は一見の価値ありです。<br>
現代美術特有の難しさは全く無く この一連の奇想天外を楽しめば充分、芸術鑑賞でございます。<br>

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