人質という設定がやや荒唐だけど普通の人たちの過去の記憶を紡いだ連作。それは幼い頃の思い出やつつましい記憶の断片だったりする。が、そこに強度と深度がある。それぞれの人の内にある些細な記憶を言葉で物語るという行為は祈りに似た敬虔さを孕む。静かな小説だった。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年4月24日
- 本棚登録日 : 2016年4月17日
みんなの感想をみる