最初にいい訳しておくと辺見庸氏のファンである。
ただ、ここ数年(特に震災以降の)近著を読むにつれて正直ついていけなくなってきた。
なにを大仰な、と驚くことがあり、自身の破滅願望なのか終末論なのか知らんけど共感できない文の羅列がある。元々、辺見氏の政治的な立ち位置や思想が自分と全て一致し共感できるというほどではなかった。
けれども言葉や表現に対する姿勢にずっとどこか惹かれるものがあって長年辺見氏の著書を読んできた。
だから有り体に言えば、僕は中途半端なファンなのだろう。
本書のなかで書くことは受傷が前提で、言葉を生み出し文を書くことその行為それ自体がひとつの希望ではないか、という一文が胸に響いた。
これからも辺見氏の著作を読み続けるか。自分は腐った牡蠣みたいな眼をした汚いおじさんになっても中途半端なファンのままでいることができるのか。分からない。自信がない。
でも現時点では辺見庸氏には書き続けてほしいと願っている。
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カテゴリ:
芸術文化
- 感想投稿日 : 2014年4月27日
- 本棚登録日 : 2014年4月22日
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