危機とサバイバル――21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉

  • 作品社 (2014年1月31日発売)
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「ヨーロッパの知性」などと呼ばれることもあるが、アタリ氏が日本で有名になったのは、ベストセラー「21世紀の歴史」が邦訳されてからだろう。リーマン・ショックを予想したなどと評され、麻生さんや菅直人が本屋で購入したなどとして評判になった。

日本や中国に対するアタリ氏の分析には?と思う所もないわけではないし、この人のすごいところの本質はまだ良くわからないが、歴史を「中心都市」の遷移で捉えたり、「個人の権利」の獲得の推移として捉えたりする見方はなるほどと思わせるし、「ノマド」に対する高い評価も興味深い。

この本は、「21世紀の歴史」「金融危機後の世界」に続く作品で、国家から企業、個人、はては人類の危機管理マニュアルといったところ。

アタリ氏によれば、21世紀を生き抜くために必要な7つの原則があり、

1.自己の尊重
2.緊張感
3.共感力
4.レジリエンス
5.独創性
6.ユビキタス
7.革命的な思考力

にまとめられるという。読めば、まあなるほどと思わせる説明がある。

特に共感したのは、やはりなんだかんだいって1が一番大事だなということ。
自分とはなにかを突き詰め、それを大事にするところから始まる。
僕の言い方では発想は逆で、最後に何を守りたいか。
個人であれ、企業であれ、国家であれ、人類であれ。
自らのアイデンティティを守るためには、時として戦術的に迎合したりすることはあっても、コアの部分は見失ってはいけない。最後は自分のアイデンティティを掛けた戦いを挑む覚悟が必要ってことですな。

そして、日々の情報収集(自らを知ることと相手を知ること、世の中を知ること)、自己研鑚(体と心のメンテナンス、消費を絶えず見直す)、柔軟性の確保(多様性を受け入れる、身軽である、イザという時の為の貯蓄や保険)、も大事。

特に自分としては、体のメンテナンスと、消費の見直しができていない。その重要性を再認識した。

あと、所属するグループに対するリスペクトって大事。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年7月23日
読了日 : 2014年7月23日
本棚登録日 : 2014年7月23日

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