歴史・国際政治学者にして保守系の論客による、国際情勢の解説書。
印象に残ったキーワードは、「世界新無秩序」と「中露独同盟」の脅威。ドイツと欧州各国との関係、ドイツとロシアの共通の利害、英国のしたたかな戦略と英米の血脈など、やや過激だが鋭い分析に目から鱗。まあ、どの国も建前の裏では実益に基づく現実路線を採っている、という当たり前のことなんだけれど。
著者は、世界が多局化する時代にあって、我が国は普遍的価値にこだわらず徹底した現実主義・実用主義で生き残りを図るべし、と主張しているが、前途多難なことだけは間違いない。著者はまた、今後二十~二十五年スパンで見れば安定した持続的な世界秩序が訪れる、とも言うが、気休めなんじゃないのかなあ?
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
教養
- 感想投稿日 : 2017年2月25日
- 読了日 : 2017年2月25日
- 本棚登録日 : 2017年2月24日
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