20141028読了。
映画監督、是枝裕和の初著作。水俣病に関わった官僚の死を取材し、ドキュメンタリー番組として放送されたものにさらに取材を重ねてまとめられたノンフィクション。
日本の高度成長の負の遺産、水俣病。自分がその病気と政府の対応について全く知らなかったことがまず衝撃。「水俣病」という名前は知識として知ってはいたが、経済成長を優先させるために被害者への補償やを切り捨てる政府の対応。そのひどさや、政治家・官僚と呼ばれる人たちの保身、「臭いものには蓋」主義に震えるほどの怒りを感じる一方で、冷徹な官僚になれなかった山内さんのもがき苦しむ姿が辛すぎる。死へ向かっていく姿と支える奥さんの姿は涙なくして読めなかった。
口下手な一方で、詩で自分を表現する。なんて不器用な生き方だったのだろうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2014年10月29日
- 読了日 : 2014年10月29日
- 本棚登録日 : 2014年10月18日
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