アキラとあきら (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2017年5月17日発売)
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小さな町工場を経営している家に生まれた山崎瑛と、海運業大手企業グループを経営する家に生まれた階堂彬。同い年の二人は全く異なる世界で成長しますが、就職先の産業中央銀行で出会います。強烈な才能で存在感を増してゆく二人に降りかかるドラマを様々な人との出会いや別れを通じて描きます。
2人の主人公の生い立ちを追う小説なら他にもたくさんありますが、そこはさすが池井戸氏。銀行や企業経営の現場のリアルな描写や、緻密なやり取りがストーリーに厚みとスピード感も与えて、文庫本700ページの長編ですが、どんどん引き込まれて行きました。
主人公の二人の「あきら」が、規模は違えど経営者の父を持つ立場であることが、私にとっても感情移入しやすい理由の一つであったように思います。池井戸氏の新作と聞いて期待して読みましたが、期待以上でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(企業)
感想投稿日 : 2017年6月7日
読了日 : 2017年6月7日
本棚登録日 : 2017年6月7日

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