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あなたは、高校で「世界史」の授業は好きでしたか?好きだった人には済みませんが、私は嫌いでした。年表があって、紀元前何年頃に何とか文明が栄え、西暦何年には誰それが何とか法政を布き…。おそらくテーマが横断的で断片的な教科書についていけなかったのだと思います。本書では、地政学を軸にして縦断的・俯瞰的に歴史がひもとかれます。例えば、ティグリス川・ユーフラテス川に挟まれた緑豊かな地域に最初の文明(メソポタミア)が発生し、少し遅れて、肥沃な土壌が毎年の洪水によって上流から運ばれてくるエジプトに最初の帝国が興ります。両者から海岸沿いに(道路を作らなければならない陸路よりも海路の方が有利)文明は広がり、やがてインドに、遂には古代中国に至り、帝国と貿易と戦争が始まる…といった大きなうねりが展開されます(ここまで、本書の最初の10ページくらいです)。
著者は「教養の達人」と称されるライフネット生命保険の出口治明氏。世界1,200の都市を歩き、1万冊の本を読んだと言われています。上下巻約800ページの旅は短くありませんが、教養を身につけ、混迷する「今の世界」を読み解くためにもお奨めします。
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教員おすすめ本
- 感想投稿日 : 2016年10月26日
- 本棚登録日 : 2016年10月26日
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