戦争がつくる女性像: 第二次世界大戦下の日本女性動員の視覚的プロパガンダ (ちくま学芸文庫 ワ 4-2)
- 筑摩書房 (2000年1月1日発売)
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感想 : 2件
第二次大戦中の女性雑誌に描かれた女性の姿、すなわち戦時下で求められた女性の理想像を分析することで、当時の社会や政府が女性をどう捉えどう扱おうとしていたかを考察している。
著者のことは良く知りませんが、いわゆるフェミニストと呼ばれるタイプの研究者でしょう。時に感情を抑えきれないような記述もありますが、全体としては冷静な分析を重ねています。
戦時下の女性に期待された役割は、子供を育て戦場へ送る母であり、傷ついた兵士を癒す看護婦であり、夫のいない家を守る妻であり、兵器を生産する工女であり、要するに武器を取ること以外の形で戦争を支援する存在だった──という結論は当然と言えば当然でもあります。
特に意外性のある内容ではありませんが、あまり注目を浴びるテーマでなかったのは確かでしょう。こういう研究が論文ではなく文庫として出版されるのは良いことだと思います。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2009年12月9日
- 読了日 : 2009年11月24日
- 本棚登録日 : 2009年11月24日
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