一言でまとめると、ワクワクする本だ。特に私のように、IT業界が注目を集め急激に発展する時期にあえてものづくり企業に就職したような者にとっては、夢と希望が惜しみなく語られた一冊だと感じられる。
IT技術の進歩は情報(ビット)の分野にとってまさに革命だったが、人間の衣食住を情報でまかなうことはできない。結局人間が生きていくために必要なものはすべて形あるモノ(アトム)の領域にある。この本は、ビットの革命が続いてアトムの革命を起こしつつある現状を語るものだ。
筆者自身がその分野の起業家でもあるため、中にはフェアではない表現もあるだろう。それは随所で筆者も認めているところだ。しかしそのことがさらにこの本を生き生きしたものにしているのは間違いない。ムーブメントから距離をおいた評論家の分析ではなく、渦中で走っているプレーヤーからのリポートだ。
恐らくこの流れは止まらないだろう。ものづくりの姿が変わる。人が人である限りものづくりは無くならないが、大企業による生産設備の寡占や、大量生産による単価低減とそのための大量消費というモデルは無くなりうるのだ。
私が生きている間にどこまで進むだろうか?とても愉しみだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年6月19日
- 読了日 : 2013年7月20日
- 本棚登録日 : 2017年6月19日
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