知性の鍛え方といった方面の著作も多い佐藤優氏だが、本書は外務官僚出身という経歴を存分に生かした国際情勢と国内政治の解説書だ。今回は電子書籍(Kindle)で読んだが、紙の書籍の発売日は2012年7月20日で、時事問題が多いので1年もすれば古臭くなってしまうだろう。
この人は色々とすごいし尊敬もするのだが、やはり官僚出身のせいか、国家や政治の力を過大評価している気がする。経済と企業がいかにグローバル化しても、暴力装置を保有する国家の力は常に民間人や企業を圧倒し、国家という枠組みを超えることはないと考えているようだ。
たしかに先進国ではそうだろうが、アフリカや太平洋の小さな国々ならどうだろう?国家と違って企業は土地に束縛されない。文字通りグローバル(地球上)で好きな場所に引っ越せる。企業が国家を乗っ取る日はそう遠くないように思える。
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- 感想投稿日 : 2017年6月18日
- 読了日 : 2012年12月21日
- 本棚登録日 : 2017年6月18日
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