シーズン・フォー・ラヴァーズ: クリスマス短編集 (MIRA文庫 LH 1-14)
- ハーパーコリンズ・ジャパン (2005年11月1日発売)
激しい頭の痛みでメアリスが目を覚ますと、男がじっと見つめていた。初めて見るモーテルの部屋に、見知らぬ男。思い出そうとしても、ここ数時間の記憶が抜け落ちている。なぜこんな場所に来たのだろう。そして、マッケンジーの兄たちに似て、どこか危険の匂いがするこの男はいったい誰…?(マッケンジーの娘)。MIRAが誇る人気作家、L.ハワード、H.グレアム、P.ジョーダンによるクリスマス・ラブストーリー3点を収録。ファン必読の短編集。
「マッケンジーの娘」
リンダの「愛と勇気のマッケンジー家」シリーズの四作目。<br>
ヒロインがマッケンジー家の末娘。ヒーローはFBIの捜査官。父親よりも馬の調教が上手だというヒロインが巻き込まれた殺人・詐欺事件。ヒーローはマッケンジー家の男たちほどではなくても、程よくタフでマッチョ。<br>
わざわざ脱ぐことはなかっただろうに脱ぐあたり、本当にヒーローはヒロインに惹かれていたんだな、と。そしてもともとヒーローが気に掛かっていたヒロインはそういう状況で自分の気持ちを自覚して。サスペンス要素もそれなりにあって程よくドキドキ感も味わえる。なにより最後のマッケンジー家の男たち勢揃いシーンは秀逸。190センチを超える大男が七人も揃ったら、さぞや部屋が狭いだろう。
「聖夜のウェディング・ベル」
子持ちの未亡人ヒロインと、同じように子持ちの寡夫ヒーローで、ヒロインはヒーローの会社で働いている。子持ちで愛した人を亡くしたという共通点がある二人。ヒーローの娘とヒロインの息子が親しくなったことから、急速に接近して。現実にはそんなに簡単にはいかないだろうけど、基本テンプレのお互いに惹かれあうものがあるという。全体にクリスマスシーズンの、どこか心浮き立ちほのぼのするお話しで楽しめた。性的に惹かれあうからや、子供のためでなく、愛しているから結婚したい、というお約束ではあるけれど、ヒーローの二度目のプロポーズにはちょっときゅんとなる。なにより子供たちが幸せそうなのが良かった。
「プティングの中は…」
ペニー・ジョーダンらしい感じ。<br>
クリスマスシーズンに読んだら、フィギー・プティングというものを食べたくなったかも。悪人はあくまでも悪人らしく、脇役は脇役らしく。けれどそれぞれの人物の存在感はきちんと。ヒロインとヒーローの再会はできすぎな気もするけど、他に出会いようもないし。でもヒロインを強引にボーダーズに連れて行ったのはどうだろう。どうしても一緒にいたかったから、と最初に言っても。もっともそれじゃHQにならないけど。
- 感想投稿日 : 2009年2月25日
- 読了日 : 2009年2月25日
- 本棚登録日 : 2009年2月25日
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