スカラブ号の夏休み(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)

  • 岩波書店 (2015年7月17日発売)
4.29
  • (3)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 46
感想 : 4
5

イギリスの作家アーサー・ランサム、1943年発表の児童文学、「ツバメ号とアマゾン号」シリーズ全12巻の11巻目。これまた児童文学の傑作。

今回はツバメ号の子どもたちは出て来なくて、ドロシア、ディックのカラム姉弟とアマゾン姉妹の物語り(中心はカラム姉弟です)。舞台はいつものイングランド北部湖水地方、やはりこのシリーズは湖水地方が舞台でなければ、と思います(それ以外が悪いわけではありませんが)。
アマゾン姉妹の母が病後の療養のため伯父と旅行に出かけ、姉妹とコックだけの屋敷をカラム姉弟が訪れます。ところが保護者不在と聞きつけた大叔母が姉妹を監督するためやって来ることになり、極端に厳格な大叔母の不興を招くことを恐れたカラム姉弟は近くの森の中の廃小屋(通称犬小屋)でのキャンプ生活を余儀なくされます。
大叔母に知られずに10日間程を乗り切らなければならない、しかし次々と障害が現れて・・・。

大きな冒険はありませんが、湖上での帆走や森の中のキャンプ生活の楽しさなどたっぷりと描かれ、また周囲の大人たちも巻き込んでのハラハラドキドキのドタバタコメディが非常に冴えている物語り、とっても面白いです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童文学
感想投稿日 : 2015年12月8日
読了日 : 2015年12月7日
本棚登録日 : 2015年12月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする