地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社 (2014年8月22日発売)
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感想 : 263
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恒例の新書大賞2015の第1位を獲得した本著を読んだ。

地方創生という言葉が唱えられている今、まず現実を知るために。とても良い本だと思う。
現実的に考えれば、すべての市町村を生き永らえることは不可能だし、効率的でもない。
大事になるのは東京に代わる「地方中核都市」だ。


日本人口の安定化のためには出生率2.1%への回復が必要だと言われているが、日本は2005年に過去最低の1.26%を記録し、2013年でも1.43%という低水準に留まっている。
この人口激減が免れられない状況でどうするべきか。

東京は日本の成長力のエンジンになってきたが、東京圏は超高齢化社会へ向かっており、かつ出生率低下により日本の再生産構造を破壊する元凶になっている。

東京への一極集中に歯止めをかけるため、地域の再生か必須。そのためには「地方中核都市」に重点を置くべきである。
すべての県庁所在地やそれより小さい市町村まで生かすのは難しいので実質的に捨てるしかない。

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memo


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これまでの地域政策は「ハコもの」などハード面に着目してきた。今後は、「人」そのものが政策の基軸となる。第一は「人口の維持・反転」(結婚、妊娠、出産、子育ての支援)、第二は「人口の再配置」(大都市圏への人口流入の流れを変える)、第三は「人材の養成・獲得」(国内の人材養成と海外の高度人材獲得)

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東京圏は(略)地方中核都市と補完的な関係を構築していくこと
外国人を単純労働力としてではなく、高度な技術を持った人材に主眼を置くべきである。

86
1995年をピークに生産年齢人口かわ減少し続けているなかで、女性は「最大の潜在力」だ

190
18歳の決断(大学進学)と22歳の決断(就職先の選択)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション (新書/文庫)
感想投稿日 : 2015年5月25日
読了日 : 2015年4月2日
本棚登録日 : 2015年4月2日

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