★長い研究の歴史があるんだな★選挙で過半数を取れば独裁してもいいのが民主主義だと言っていた人がいた。ただそれは、正しい選び方での過半数という条件付きだということがこの本を読むとよく分かる。間違った選び方での過半数は民意を必ずしも示していない。だから少数意見の尊重という考え方も生まれるのだろう。
多数決は1位しか表明できないので情報が少なく、昼食の店選びのようなどうでもいいことを選ぶのに向いているという。1位3点、2位2点のようなボルダルールの方がみんなの意見を反映する。みんなが1位とするまでの距離の違いでほかの決め方と意見の反映度合いを比べるというのがなるほど経済学なんだろう。倫理との兼ね合いもずいぶん前から研究されていて、この分野の蓄積の深さが興味深い。
ボルダルールを選挙に導入できないのは投票と集計の双方の手間の問題だろう。さらに現在の仕組みで選ばれた人がその仕みを変えることは考えにくい。
筆者はあとがきで、まずは世論調査に使ってみてはというが、そこまで答えてくれる人も少ないだろう。結局は選ぶ側のやる気の問題に戻ってしまうのか。
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カテゴリ:
経済・ビジネス・政治
- 感想投稿日 : 2017年2月11日
- 本棚登録日 : 2017年2月5日
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