小さな人生論 (小さな人生論シリーズ)

著者 :
  • 致知出版社 (2003年9月5日発売)
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「寧静に非ずんば以て遠きを到むるなし」

四十数年前、松下幸之助が数百人の経営者を前にして、ダム式経営論についての講演をしたとき、聴衆の一人が「それをどうすればできるのか秘訣を教えてくれ」と質問した。松下氏はじっと考えてから、「わかりませんな。一つ確かなことはまず、ダム式経営をしようと思うことです。」と答え、会場は失笑でおおわれたが、ただ一人、稲盛和夫だけは脊髄の奥に火がついたような感動で心を熱くしていた。

人間力を養うためには、憤(発憤し、向上心を燃やしていく)、志(夢といってもよい)、与えられた場で全力を尽くすこと、それを一貫持続すること、すぐれた古今の人物に学ぶ、そして素直な心、という6つが大事である。松下幸之助は晩年まで「素直の十段になりましょう」と説いた。

プロであるための必要な高い能力を獲得するために「進んで代償を支払おうという気持ちを持っている」ことがプロとアマを分ける決定要因であり、プロになるための絶対必要条件である。

「憤せざれば啓せず 悱せざれば発せず」(膨張し盛り上がる心がなければ、導き啓くことはできないし、問題意識を持ち内部に蓄積したものがなければ教え発くことはできない)
「一隅を挙げて三隅を以て反せざれば、則ち復びせず」(四角の一角を教えられたら、あとの三つの角を自分で考えてわかろうとする者でなければ教える必要はない)
どちらも孔子の論語述而篇にある言葉である。

「あらゆる人間は二つの教育を持っている。その一つは他人から受ける教育であり、他の一つは、これよりももっと大切なもので、自らが自らに与える教育である」(イギリスの歴史家ギボン)

「日陰がなく、日向だけの男は暴力である」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2012ビジネス
感想投稿日 : 2013年11月10日
読了日 : 2015年1月12日
本棚登録日 : 2013年11月10日

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