主人公は正直どうなのみたいな人なのだけれど、唯一の親友の人柄が最高で、その人によって主人公も人間的には誠実で実直なひとであるとわかるので、読み続けられるし、それぞれの人間に息が通っている。
最初にあらすじを読んでどんなにドロドロしているかとおそるおそる読み始め、親友二人の中がこじれるようなことにはなってほしくないなーと心配しつつ読み進めても、四分の三までいってもまだ泣き通しで横恋慕する気配がない。おかしいな、とおもったら鮮やかに物事が進み、まるで現代小説のごとき玉虫色の着地点へ…
全て読み終える頃には登場人物がみんな好きになっているから、読者に今後をゆだねる形であったのはほっとした。
中身としては、「失った」主人公の視点からこの時代の円満な夫婦関係を描くことで、それを文化として肯定している形のようだ。
しかしこの作者の文章の多彩さには感服する。
解説が実に興味深い
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年3月9日
- 読了日 : 2017年3月9日
- 本棚登録日 : 2017年2月27日
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