読もう読もうと思っていた本が文庫になっていたので購入。
日清戦争から第二次世界大戦終戦まで約50年。高度成長から今まで位の時間で、制限選挙の制限度合いの変更であったり、世界恐慌や飢饉もあるなかでの政治について、中高生への講義。
戦争というと構えてしまうけれど、政策の一つと考えると一大政策における首脳部の考え方と施策、そして国民への広報方法についての参考になる本。
戦争が政治の延長なら、政治は国民の生活の延長で、生活は自身の安全保障とも捉えられるので、経済的な計算をせずに感情的なメリット・デメリットで捉えている国民も多かったようなのはBrexitとも同じ模様。
失敗の本質的な意思決定についての話は少なめで、どちらかと言うと危機感から出てきている意思決定についてと、国民感情の醸成と言ってもいいような部分での話と、目的を決めたら突っ走れ的な高度成長期にも通じるお話。
今も昔も中国はドイツと組むのだなとか、Windows、インターネット、スマホ、SNSのようなものが国民の意思決定に関係してきている以上、いろいろな国の社会秩序に影響を与えていると考えられるから、民主主義国家以外においてはルソーの言う戦争状態に当たるのでは?とか、政策のサンクコストは経済的なことだけでなく政策立案推進者の面子によるのであるなら、いかにしてそれを回避するべきかとか色々と考えさせられる内容だった。
他界した切れ者の大叔父が陸軍士官学校出で、「金時計組は頭のレベルが違う」と言っていた。そのレベルの人間があのような施策なら、それをさせるのは信心的な思想であろうか。
- 感想投稿日 : 2016年6月30日
- 読了日 : 2016年6月30日
- 本棚登録日 : 2016年6月27日
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