図書館戦争

著者 :
  • メディアワークス (2006年2月1日発売)
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本棚登録 : 15429
感想 : 2157
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もし図書館が武装したら、という出オチ的ネタがこの話の全てなわけで、その出オチ的ネタで分厚い本一冊もたせようとなると相当の筆力と説得力がいるわけです。
で、本作は残念ながら筆力・説得力ともにあまりにも足りないかなと。
対立しあう二つの組織、良化委員と図書隊二つともが合法なのがわけわからないし、検閲のために武装が認められている社会で調教・凌辱もの(柴崎の言葉からしてこれらの描写は健在の様子)AVだの漫画だのがお目こぼしいただいてるのもわけわからん。
ラノベ的文章もなかなか居心地悪かったが、なんというか、最近のラノベってこんなに親切なの?ってくらい一から十まで解説してくれて(〇〇はつまりこう言いたかったのだ、~~な点が〇〇の食えないところだ、ってなにもそこまで説明してくれなくてもわかりますよ)、逆に言うと最近の読者はここまで説明しないとわからないのでしょうか。不安です。

でもやっぱり、一番許せないのは、どうしても許せないのは、たとえ本を守るためとはいえ
「図書館が武装して、人を傷つける」
ってとこですねえ。違うだろう、図書館の戦い方はそうじゃないだろう。図書館の自由宣言も、そういった意味じゃないだろうと。図書隊のメンバー誰一人そこに疑問もってないのがなんとも。登場人物全員に嫌悪感を持ちます。
一番この話のキモの部分が、どうしても納得できないので、私はこの話、嫌いですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 最近の小説-ファンタジー
感想投稿日 : 2011年7月11日
読了日 : 2011年7月1日
本棚登録日 : 2011年6月12日

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