「やり残しゼロ!」の仕事術60

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  • すばる舎 (2009年10月20日発売)
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●本人にしてみれば、「引き受けたときはできると思った」。⇒問題は、「できる、できない」の判断を誤ったこと
●仕事ができる人たちは、仕事の原理原則を踏まえた”共通した方法論”を持っている
 ただしその方法論は、本人たちがさまざまな失敗、試行錯誤を経ていつのまにか身に着けて来た暗黙知(ディープスマート)に属するため、なかなか継承されにくい
●やり残し発生のメカニズム
 ①ムダが多い
 ②段取りが悪い
 ③スピードが遅い
 ④コミュニケーションが足りない
 ⑤一人で仕事をしている
●仕事をうまくやる原則
 ①仕事をスリム化する
 ②段取りファースト
 ③処理能力をアップする
 ④報連相を重視する
 ⑤人間関係をつくる
●ムダの減らし方
 仕事におけるムダを見つける観点・・・「手戻り」「よけいなこと」 ⇒これら2つのムダをなくしていくと、かなりの量の仕事が減らせる
 「よけいなこと」・・・やってもやらなくても「結果に影響がない」こと。やらなかったらどうなるか?を考えると、実は何の役にも立っていなかった!
 ①「手戻り」のなくす方法
  ・「手順」と「結果」をチェックリストにする。「手順」:どのようなステップで作成するか? 「出来上がり」:何が盛り込まれているべきか?
   完了した作業はチェックしておくと、割り込み等で中断されたあと、作業をすんなり再開することが可能
  ・ひとつの作業が終わったら検算する。ダブルチェックする。作業したプロセスとは別のプロセスで確認する
 ②「よけいなこと」への対処方法
  ・「どうやってやるか」を考える前に、「やるか、やらないか」を考える
  ・どれだけ当たり前のように思えても、「本当に必要なことなのか」を毎回、毎回考える
  ・できる人ほど、最終結果を出すルートをできるだけ、最短距離で結ぼうとする。常にショートカットする道を探す
  ★顧客にとって価値を生まないものは全てムダとみなす
  ★「やる、やらない」を判断するための5つのステップ
   1.発生したタスクはどんなに小さくても、必ずTO DOリストに記入する
   2.「やらなかったらどうなるか」を考える
   3.記入した「タスクの目的」を考える
   4.同じ結果を出すことができる「代替手段がないか」を考える
   5.選択肢のなかから、「どれを実行するのか」を決める
  ★ドラッカー「する必要のまったくない仕事、時間の浪費である仕事を見つけ、捨てなければならない。すべての仕事について、まったくしなかったならば何が起きるかを考えればよい。何も起こらないが答えであるならば、その仕事はただちにやめるべきである」
  ・目的がはっきりしたら、その目的を満たすために、「ほかに方法はないか」を考える。代替手段。ポイントは、「ほかの方法が、より良い方法でなくても構わない」こと
●職人の世界では、「間」が重要。「間」=タイミングとは、遅すぎても早すぎてもダメ
 ・・・「間」を合わせられない人は、「間に合わない奴」=「間抜け」と言われてしまう
●ダンドリ不足は「やり残し」となって現れる。「やり残し」とは、「間に合っていない仕事」
●一日の始まりから終わり、もしくはプロジェクトの開始から完了までをシミュレーションして、次に起こることに前もって準備しておくこと
●「一日の始まり」に日報を書く
 ①今日、なされるべきことは何か ・・・ 「やりたいこと」「やるべきこと」ではなく、「なされるべきこと」
  ★仕事は顧客のためにするもの。顧客に価値や感動を提供するために、スキルを磨き、知識を蓄え、その対価をいただいて、結果としてキャリアアップするというのが本当。
  ★「お客様に価値を提供するために、何がなされなければいけないか」「プロジェクトを成功させるために、今日、何がなされなければいけないか」を問う!
  ★自分を主語にせず、「なされなければならないことは何か」を自問することで、発想がまったく変わってくる
  ★視点が顧客目線となり、視野が幅広くなってくる。そのような考え方、仕事の仕方をする人がキャリアアップしないわけがない!
 ②それぞれの仕事にどれくらいの時間が必要か
  ・「仕事量」から時間を見積もる
  ・「ま、だいたい2時間もあれば会議用資料作成が片付くだろう」と”予想”する。これは見積もりではなく、単なる”あてずっぽう”でしかない
  ★見積もることができるのは「量」。何ページなのか、1ページ何時間だからトータル何時間。
 ③その日、業務終了時にどんな気分でいたいのか
  ・人には自分が言ったこと、書いたことを証明しようとする性質がある。「今日はうまくいった。仕事が捗った」など朝のうちから書いておく
●「何よりも肝心なのは、思い切ってやり始めることである」スイスの哲学者ヒルティ
●時間を「面積」でとらえると、時間が限られていることを意識せざるを得ない
 ・「モレスキン ウィークリー バーチカル」・・・1週間を俯瞰して時間を面積でとらえることが可能
●「引き出しの原則」・・・「小さいものを小さいハコに」「大きいものを大きいハコに」。交通費や出張費の清算など、細切れ時間でできるものは小さいハコに
●スケジューリングの基本:ギリギリの時間見積もりをして、余裕のある計画を立てる
 →かかる時間はギリギリで見積もって、スケジューリングは30分単位で行って、スケジュールとスケジュールの間にバッファを作ってあげる
 →クリティカルチェーン・・・エリヤフ・ゴールドラット博士「クリティカル・チェーン」
●TO DOリストは一箇所に集約し、常に手元に置き、すぐに書き込めるようにする
 →TO DOリストに書いておけば、あとはその日がくるまで忘れてしまえばいい。「書いてしまえば忘れていい」というのは、とても気持ちがいい
 →「フランクリン・プランナー」のデイリータイプ
●アクションは具体的に・・・「~を検討する」「~に対応する」といった曖昧な表現では、何をしなければいけないか具体的に見えないため、必ず後回しにされる。
 →実行できるアクションになっていなければ、取り組みようがない。作業内容は具体的にする
●時間ログをつける。今から何をするのか、開始・終了時間とともに書き込む
●仕事の遅い人は「とりあえず」取り掛かってしまう。イメージができていないため、行ったり来たりしている間にどんどん時間が過ぎていく
●結果から逆算することが大切 = プロセスの全体を俯瞰する
●仕事メールの5つのルール
 ①読み手に「伝わる表現」にする
  ・「相手は誰なのか」を意識する
  ・「これくくらいは知っているだろう」という前提ではなく、「ひょっとしたら知らないかもしれない」と考えて、背景や状況についての説明をつける
  ・自分が感じている距離感よりも、少しだけ丁寧な表現にする
 ②一メール、一要件を徹底する
 ③タイトルには「結論」を書く
  ・「○○について」「○○の件」を使わない!本文を読まないと内容や結論がわからない⇒読んでもらうためのハードルをわざわざあげている
  ・「○○機能でトラブル発生。今後の対応について相談させてください」「○○機能でトラブル発生。至急連絡ください」
 ④「リード⇒結論(事実)⇒背景⇒結論(要求)」の順番で書く
 ⑤添付ファイルの情報も書く
●文章を強制的に短くする一番のコツ・・・「が」を使わないこと
●「『が』という接続助詞は便利である。一つの『が』を持っていれば、どんな文章でも楽に書ける。しかし、私は、文章の勉強は、この重宝な『が』を警戒するところから始まるものと信じている」・・・『論文の書き方』清水幾多郎
●メールチェックは1日3回。朝の通勤時、昼休み明け、定時まえ30分
●上司は「ブラックボックス」を嫌う。一つは状況、もう一つは感情
●上司を不安にさせている時点で、部下失格
●デキる上司ほど、自ら尋ねずに、部下からの報告を待つ。そうやって部下の自主性を重んじるとともに、部下の力量、成長を測っている。
 ⇒「あれ、どうなってる?」こう尋ねられたら負けだと認識しないといけない。不安を感じさせる人と積極的にいっしょに仕事をしたいと思う人はいない
●アメリカ国防総省の報告内容
 ①事実 = 「ロシアが核爆弾発射」
 ②情勢判断 = 「アメリカが壊滅します」
 ③意見具申 = 「ただちに戦闘状態に入りましょう」
●「変化なし」の報告も重要。上司は「いまどうなっているのか」が知りたい。何も問題ない、順調だということも報告されないとわからない
●1ヶ月前に報告しても、1週間前に報告しても、1日前に報告しても、「納期に間に合わない」という事態そのものは同じ。しかし、残されている時間があればあるほど、打てる手が多くある
●議事録のポイントは、合意事項、決定事項、担当者、期限を明記する
●どれだけ上司を使っても、「ありがとうございました」。部下はお礼を言うだけでよい。使い放題。使わない手はない
●仕事がデキる人は「目線が違う」。「顧客への貢献」「会社の利益」「自分の成長」に焦点を置いている
●持続的な成果を上げるために、単に人の力を利用して自分の実績にするのではなく、「人の力を活かし」「力を借りた人たちを立てる」ことも忘れない
●自分の仕事とは?「自分の仕事はプロジェクトをうまくいかせること、終わらせることだ。そのためには土下座でもなんでもして、なりふりかまわず助けを求めるのが自分のやるべきことだ」
●意見の対立は”宝の山”
●「組織内に反対意見がある場合、誰が正しいとか考えてはならない。何が正しいかさえ考えてはならない。どの意見も正しい。それぞれが違う質問に対して答えていると捉えるべきなのである。それぞれが、異なる現実を見ているのである」ドラッカー
●上司からのネガティブな意見・・・「いまはまだ時期尚早だ」「予算はどうするんだ」「納期は間に合うのか」「利益はでるのか」
 ⇒自分では気がつかなかった、うまくいかない理由をどんどんリストアップしてくれる⇒逆に言えば、ネガティブな要素を一つひとつつぶしていけば、成功に近づく。自分には見えていなかったリスクを教えてくれている
●「どうすれば顧客に貢献し、会社に成果を残せるか」に焦点を置いていれば、つまらないプライドや偏見は簡単に超えられる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2011年3月25日
読了日 : 2011年3月19日
本棚登録日 : 2011年3月19日

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